日本語と日本文化
HOME | ブログ本館東京を描く日本の美術日本文学万葉集プロフィール | 掲示板




日本の説話・語り物:代表作の鑑賞


日本には物語の長い伝統がある。物語には大きく二つの系統があった。ひとつは滑稽話や教訓話など短い物語を集めたもので、のちには説話と呼ばれるようになった。もう一つは、フィクションを物語に仕上げたもので、これは日本的な小説の原型となった。

説話集の代表的なものは、平安時代に成立した「今昔物語集」であり、その周辺に「宇治拾遺物語」とか「古今著聞集」といった作品が成立した。一方、フィクションの代表的なものは、「竹取物語」とか「源氏物語」といったものであるが、これは、同じく物語とはいっても、説話とは根本的に異なる文学作品であって、その後独自の発展を遂げるようになった。

鎌倉時代から室町時代にかけて、語り物とよばれる文芸の分野が発展した。その端緒となったのは「平家物語」である。これは盲目の法師が琵琶の音にあわせて語ったものである。また室町時代に成立した「太平記」は、音楽を伴わずに語るものであって、後に演芸の主流となる語り物の原型となるものである。語り物は、室町時代から徳川時代にかけて、説教節や浄瑠璃といった大衆演芸の主流をなした。また明治以降にも講談というかたちでしぶとく生き残った。

ここではそんな日本の物語の伝統の中から、「今昔物語集」に代表される説話とか、「平家物語」と「太平記」に代表される語り物について、鑑賞したいと思う。


今昔物語集

● 
時平の大臣、國經大納言の妻を取る語(今昔物語集を読む)

● 
左衞門尉平致經、明尊僧正を導きし語(今昔者物語集巻二十三)

● 
陸奥前司橘則光、人を切り殺す語(今昔物語集巻二十三第十五)

● 
相撲人大井光遠の妹、強力の語:今昔物語集巻二十三第廿四

● 
女、醫師の家に行き瘡を治して逃ぐる語 巻二四第八

● 
蛇に嫁ぐ女を醫師もなほせる語:今昔物語集巻二十四

● 
安倍晴明、忠行に随ひて道を習ふ語 巻二十四第十六

● 
玄象の琵琶、鬼の爲に取らるる語:今昔物語集巻二十四第廿四

● 
源宛と平良文と合戰ふ語:今昔物語集巻二十五第三

● 
藤原保昌朝臣、盗人袴垂に値へる語:今昔物語集巻二十五第七

● 
藤原親孝、盗人の爲に質に捕られ、頼信の言に依りて免されし語:今昔物語集巻二五第十一

● 
源頼信朝臣の男頼義、射殺馬盗人を射殺せる語:今昔物語集巻二十五第十二

● 
東の方へ行く者、蕪を娶ぎて子を生む語:今昔物語集巻二十六第二

● 
土佐國の妹兄、知らぬ島に行きて住む語:今昔物語集巻二六第十

● 
參河の國に犬頭糸を始むる語:今昔物語集巻二六第十一

● 
利仁の將軍、若き時京より敦賀へ五位を將て行く語:今昔物語集巻二六第十七

● 
産女、南山科に行きて鬼に値ひて逃げし語:今昔物語集巻二七第十五

● 
近江國の生靈、京に來たりて人を殺す語:今昔物語集巻二七第二十


平家物語の世界


● 平曲と平家語り(平家物語の成立と琵琶法師たち)

● 祇園精舎:平家物語巻第一

● 殿上闇討:平家物語巻第一

● 鱸:平家物語巻第一

● 禿髪:平家物語巻第一

● 祇王:平家物語巻第一

● 鹿谷:平家物語巻第一

● 教訓状:平家物語巻第二

● 足摺:平家物語巻第三

● 有王:平家物語

● 競:平家物語巻第四

● 橋合戦:平家物語巻第四

● 鵺:平家物語巻第四

● 月見:平家物語巻第五

● 物怪の沙汰:平家物語巻第五

● 朝敵揃:平家物語巻五

● 文覚荒行:平家物語巻第五

● 文覚被流:平家物語巻第五

● 福原院宣:平家物語巻第五

● 富士川:平家物語巻第五

● 小督:平家物語巻第六

● 廻文:平家物語巻第六

● 入道死去:平家物語巻第六

● 祇園女御:平家物語巻第六

● 倶利迦羅落:平家物語巻第七

● 実盛:平家物語巻第七

● 忠度都落:平家物語巻第七

● 経正都落:平家物語巻第七

● 征夷将軍院宣:平家物語巻第八

● 猫間:平家物語巻第八

● 法住寺合戦:平家物語巻第八

● 宇治川先陣:平家物語巻第九

● 木曾最期:平家物語巻第九

● 坂落:平家物語巻第九

● 忠度最期:平家物語巻第九

● 敦盛最期:平家物語巻第九

● 知章最期:平家物語巻第九

● 千手:平家物語巻第十

● 維盛入水:平家物語巻第十

● 逆櫓:平家物語巻十一

● 嗣信最期:平家物語巻第十一

● 那須与一:平家物語巻第十一

● 弓流:平家物語巻第十一

● 鶏合壇浦合戦:平家物語巻第十一

● 先帝身投:平家物語巻第十一

● 能登殿最期:平家物語巻第十一

● 腰越:平家物語巻十一

● 土佐房:平家物語巻第十二

● 判官都落:平家物語巻第十二

● 六代:平家物語巻第十二

● 大原御幸:平家物語灌頂の巻

● 六道之沙汰:平家物語灌頂の巻

● 女院死去:平家物語灌頂の巻


太平記の世界

● バサラ(婆娑羅)の時代:太平記の世界

● 婆娑羅大名・佐々木道誉(太平記の世界)

● 楠木正成とは何者か(太平記の世界)

● 跳梁する悪党たち:中世的世界の形成

● 飢人投身事(太平記の世界)



HOME






作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2015-2018
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである