日本語と日本文化 | |||||
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日本語を語る:歴史編 |
日本語の歴史的変遷及びその言語的特徴について語る。日本語は非常に変遷の甚だしい言語である。英語と比較すると、それがよくわかる。ほぼ同時代人であったウィリアム・シェイクスピアと松永貞徳の文章は、それぞれの国の現代人にとって理解のしやすさがかなり異なる。シェイクスピアの文章は、現代の英語とあまり変わりはなく、子どもでも理解できる。ところが松永貞徳の文章は、現代の日本人にとって読みやすいものではない。大人でもむつかしいし、子どもにとってはほとんど理解を超えている。 これには、言語の基本的な成り立ちが影響しているのだと思う、英語は、ほかのヨーロッパ諸語と同じく、屈折語と呼ばれるものだ。一方日本語は膠着語である。膠着語の特徴は、名詞を助詞によって繋ぐことであり、助詞は比較的安定しているのに対して、名詞は非常に不安定である。日本語古来の名詞のほかに漢語由来の名詞が重なり、近年ではヨーロッパ起源の外来語がそのまま使われていたりする。そうした融通無礙というべき弾力性が、日本語の変遷の激しさに拍車をかけたのである。 ここでは、そうした日本語の持つ言語的特徴に着目しながら、日本語の歴史的変遷について、トピックに即して語りたいと思う。 ● 駒のいななきについて ● 「ハ」と「ワ」―馬鹿の語源 ● 日本語の音韻の変遷について ● 古代国語の音韻について ● ん ● 清音と濁音 ● 日本語の母音 ● 母音の色(ランボーの詩に寄せて) ● 日本語の子音 ● らりるれろ(呂律が廻らぬ) ● 拗音(曲がった音) ● 長音(チョーかわゆい音) ● 促音(つっぱった言い方) ● 音便 ● 「ぢ」と「じ」、「づ」と「ず」 ● 「である」と「だ」(日本語の骨格) ● 「です」と「ます」(丁寧語の変遷) ● 日本語と朝鮮語:日本語の起源 ● 「うお」と「さかな」 ● まく、まぐはふ、とつぐ:古代日本語の性交表現 ● 漢字の伝来:呉音と漢音 ● 日本語への漢語(漢字)の影響 ● 漢字音の日本語音韻体系への組み入れ ● 万葉仮名 ● 「におい」と「かおり」 ● 色をあらわす言葉 ● への話:言葉の語源 ● 食べる:言葉の由来 ● 酔って候:二段活用から五段活用へ ● そばの語源 ● 係り結びは何故ほろびたか:山口仲美「日本語の歴史」 ● 擬音語・擬態語:山口仲美「犬はびよと鳴いていた」 ● 愛する:日本語を考える ● 伊勢物語における愛の表現 ● 二音連結と七五調:日本語を語る ● ナ入れ言葉:現代の係り結び? ● 好き:愛情を表現する言葉 ● さかい:理由や原因をあらわすことば ● 旧国名考 畿内編 ● 旧国名考その二 山陽道、山陰道 ● 旧国名考その三 南海道、西海道 ● 旧国名考その四 北陸道、東山道 ● 旧国名考その五 東海道、陸奥 |
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