日本語と日本文化


擬音語や擬態語を語根とする言葉


擬音語や擬態語、いわゆるオノマトペから発した言葉が日本語には非常に多い、ということを筆者はかねて考えていたが、大野晋もその考えを裏付けるようなことをいっている(日本語の水脈)。大野によれば、オノマトペはハングルや中国語にも多く、とくにハングルなどは、単語の半分がオノマトペ由来だという。しかし、ハングルや中国語では、オノマトペが語根となって、様々な品詞に展開するということは、日本語に比べて多くはないようだ。日本語の場合はとにかく、ひとつのオノマトペをもとに、名詞、形容詞、副詞、動詞といった具合に、どんどん広がっていくのである。(たとえば、ゆらゆら、ゆらめき、ゆれる、ゆらり、と言った具合に)

大野が例として上げているのは、とどろく、ささやく、さわく、などの動詞で、これらは、とどろ、ささ、さわ、という擬音語に、く、あるいは、やく、という接尾語が結びついてできたといっている。また、ののしる、という言葉は、声高く騒ぐという意味の擬音語、のの、に、しる、が結びついたものだが、しるとは、ものを領有するという意味を持つこということから、ののしる、は、大声を立てて相手を圧倒し、その存在を領有してしまうという意味だといっている。(しる、は、しろしめす、などともなる)

このように、大野のオノマトペ語根説は、なかなかよい着目なのだが、それが体系的に説明できていないうらみがある。体系的に説明するためには、たとえば先に引用した、ゆらゆら、という言葉とよく似た言葉を集め、それらに共通する品詞の展開を明らかにするなどの方法が必要である。

ここで、その方法の一端を紹介すれば、つぎのようなものである。

  ゆらゆら  ゆらめき   ゆれる   ゆらり
  うきうき  うかれ    うかれる  うっかり
  ほのぼの  ほのめき   ほのめく  ほんのり
  ひやひや  ひえ     ひえる   ひんやり
  きらきら  きらめき   きらめく  きらり




  
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