日本語と日本文化


731細菌部隊の忌まわしい記憶


このブログの先日(5月17日)の記事で、筆者は安倍首相が自衛隊の訓練機に試乗したエピソードを紹介しながら、その訓練機に付されていた731というナンバーの持っているシンボリックな意味合いについて言及した。この番号は、日本の歴史のみならず、北東アジアの歴史の中でもとびきりシンボリックな意味合いを持っているものだ。それは、日本軍が北東アジアの人々に対して行った残虐行為の中でも、とびぬけて残虐な行為として、いまだに記憶されているからだ。

だから、日本の総理大臣が、こんな忌まわしい番号を付した戦闘機に乗り、得意そうな表情を見せるというのは、ちょっとありえない光景だといってよい。そのありえないことを何故、安倍首相が行なったのか。筆者などにはとても考え及ばないが、とりあえず中国や韓国からは猛烈な抗議が起きた。

その様子は、日本のマスコミは殆ど取り上げなかった。また、安倍さんのこの行為の意味が深く論じられることもなかった。

しかしこれは、常識からすれば余りにも異常なことだ。というより、まったくありえないことだ。だからこんなことがあたかも何でもないようなこととして、世界中の目から見過ごされる、というようなことはちょっと考えられない。そう筆者は思っていたところだ。

筆者の懸念は杞憂には終わらなかった。筆者がこの問題に言及してから数日後に、ワシントンポスト紙がこの問題を取り上げた(Japanese leader revives dark memories of imperial-era biological experiments in China)いずれ世界中の有力なメディアも、この問題に首を突っ込んでくる可能性が高い。

今の所、ワシントンポストの取り上げ方は抑制されたものだが、日本側の対応次第では、猛烈な日本バッシングにつながりかねない雰囲気を感じる。




  
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